2007年09月01日

業務システム開発の現実

人月計算とExcelとスーツの世界より

このエントリを書いた人が絶望的な気持ちになるのも分かります。トラバやはてブのコメントで、COBOLやメインフレームを嘲笑したり、エントリをネタ扱いするような意見が多数あるのも、理解はできます。はてなやTwitterに集う人たちはおそらくこうした現場とは無縁な、今をときめくLLやWebの世界に生きている人が多いからでしょう。

しかし、今でも業務システム開発の世界では、この人が書いていることがまぎれもない現実であるということは、IT業界に関わる人間として誰もが知っておくべきだと思います。金融系や公共系の大規模システムは、今もCOBOLが主流です。PL/Iやアセンブラのシステムもまだまだ現役です。そしてこのようなシステムが、この国を支えているのです。

このエントリを書いた人が勤めている会社は、ちょうど私が勤めている会社と同じようなポジションにあるのでしょう。数百人月という大規模プロジェクトにおいて複数の開発会社を取りまとめ、顧客にシステムとして提供する、というポジション。このような会社においては、

先輩は誇らしげに言う。システムはたいしたことをやっていない。業務知識こそが大事なのだ。
ユーザーより詳しく業務を理解し、適切に提案し、設計する能力。
協力会社を率いて、わかりやすい文書で指示を行い、スケジュールを調整する能力。

この先輩の言葉は真実です。
開発規模が大きくなると、業務知識とプロジェクト管理能力が重視される元請けと、元請けの言う通りにプログラムを作る二次請け以降、という役割分担が発生します。元請けにいる以上、技術だけでは先はない。私はそう告げられました。

・・・と書いてきましたが、私は決してCOBOLやメインフレーム擁護派ではありません。むしろ逆で、開発現場のあり方を変えるために何ができるかを、真剣に考えているところです。エントリの著者と同じ考えを辿り、模索の末に「自分が会社を変えてやる」と思い立ったのです。

業務システム開発の現場で泥臭い作業をこなしている人の間では、技術が重要視されないが故に古いやり方がいつまでも残り続ける。一方で技術に秀でた人たちは、活躍の場を求めて新しい分野の仕事に集まり、こうした現場の実態を知らない。

この間で橋渡しができれば、旧態依然とした開発現場を変えるきっかけになるんじゃないか。私はそう考えるのです。

だからこそ、このような現場を知らない人にはまず実態を知ってもらいたい。そして、問題意識を共有してもらいたい。一人ができることは小さくても、Webというメディアには大きな力があると信じているから。
posted by Yazin at 01:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | IT
この記事へのコメント
興味あるエントリーだったので、失礼します。
いたって、一般的な会社のシステムの実態だと思います。
僕は、SIベンダーから、事業会社の社内SEへ転職しました。メインフレームだろうが、オープンだろうが、Webだろうが、仕事面白いですよ。最新技術どころか、コーディングをする機会もなくなりましたが。
「このエントリを書いた人が絶望的な気持ちになるのも分かります。」
絶望的になる事はないです。与えられた職務の何%かに、やりがいを見つけるべきです。
Posted by 小田急相模原 吹奏楽科&沼津校舎卒業 3○歳 at 2007年09月01日 12:25
コメントありがとうございます。

確かに、与えられた仕事の中にやりがいを見つけるのはとても重要と思います。
ただ、やれWeb2.0だのRailsだのアジャイルだのと、華やかだけれども実際にはIT業界のごく一部でしかないキーワードばかりがメディアに氾濫し、一般的なシステム開発の現場にはほとんど光が当たらない近年の状況では、絶望とまではいかなくても自分の思い描いていた仕事と違う、という思いを持つ人は多いのではないでしょうか。
そんな理想と現実のギャップに悩み、やりがいを見つけるより早く業界を去ってしまったり、理想を捨てて日々の糧を得るためだけに仕事を続けている、という人が多いのが実態だと思います。

私のいる会社では、若年層の離職率や精神疾病による休職率の高さが問題となっています。この原因のほとんどが「期待していた仕事と違う」「仕事にやりがいが見つからない」というものでした。

どんな仕事であれ、自らやりがいを見つけようとする努力は確かに重要です。しかし、それができない人が多いのも事実。だから、やりがいを見つけやすいように、現場の側も変わらなきゃいけない。私はそう考えるのです。
Posted by Yazin at 2007年09月01日 17:25
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